3月3日 初めての北斗星の夜

一足早めにバイトをおさらばして家へ。
冷蔵庫のあまり物の始末をして、荷物の用意。
カバンに厚着を中心に放り込んだ。

やってきたのは455系。この列車が来るといかにも旅立ちといった雰囲気だ。
仙台まで行く列車を福島駅で降りる。
せっかくの455系なのだが、これから乗る列車はもっと素晴らしい列車。
産まれてはじめての寝台列車、北斗星だ。

せっかくの列車だが、今日は福島まで。
銀色二階建て。なんとなくヨーロッパの列車っぽい。

 

乗り継ぎには大分時間があった。
いつもなら外へぷらりと出るのだが、あいにくこの切符は往復は途中下車不可。
大人しく待合室へ篭る。
でもじっとしていられない。何せはじめての寝台列車だ。ひさびさにワクワクする。

自分の乗る北斗星の一本前の列車、寝台特急カシオペアがやってきた。
北斗星を追い越して、日本で一番豪華な寝台特急になった列車だ。
トリコロールの三本線が、銀色の車体に誇らしげに輝く。
大きく、銀色の二階建て客車は、どこかヨーロッパの列車のようだ。
最後尾のカシオペアスイートにはおじいさん二人連れ。
いつか自分も、あの席に乗ってみたい。

しばらく北斗星の乗車位置の前を行ったり来たり。
そして、「まもなく北斗星1号札幌行きが参ります」の放送。
やっと北斗星の参上だ。
ゆっくりとポイントを通過し、ホームに滑り込む。
初めての北斗星に緊張しながら乗り込む。
今夜の宿はB個室、ソロだ。

 

夜の福島に滑り込む北斗星
多少古い感のある北斗星の通路。
狭くも愛しいB個室寝台「ソロ」

 

急な階段を上った先が、今宵の宿、B個室ソロだ。
カプセルホテルのような狭い部屋。
部屋の中央では満足に立つ事もできず、着替えはドアの前、階段部分でするしかない。
それでも、周りの人を気にする必要がないのはとても楽だ。
しばらくして車掌がやってきて鍵を渡してくれる。
鍵があるので、荷物を置いて車内をぶらついても安心だ。

あいにくロビーカーは酒飲みグループで占拠されていた。
食堂車がパブタイムに入ったけれども、財布の都合上断念。
まあ、せっかくの個室。満喫しなければ損だ。
電気を薄暗くし、車内についているBGMをかけながら夜の街を眺める。
星の海のように流れる家の明かり。
盛岡あたりで大分眠くなった。
備え付けの浴衣に着替え、窓際に頭を向けて横になる。
窓から外を見ると、一面の星。
北斗星の夜だ。

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