12月24日 雪に埋もれるクリスマスイヴ

朝早く、ニュースを見ながらカプセルホテルを出る。
今日から五日間、東日本北海道パスのお世話になる。

5:22発の田沢湖線列車。普通列車で直通する列車は少ない。
もうこの時点から雪は強く、屋根の上などにこんもり雪が積もっている。
すこし遅れて盛岡駅を出発した。

薄暗い、家の明かりがぽつぽつ灯る中を、雪を舞い上げ走る。
だんだん山の中に入り、赤渕からトンネルの連続だ。
田沢湖で20分ほど停車・・・の予定だったが、除雪作業のため列車は遅れるらしい。
おにぎりを食べたりして待ったけれども、待てど暮らせど動かず。
外に出ようとしても吹雪。大人しく駅に閉じこもるしかなかった。
8:00頃、やっと列車が動き出す。
この時点で二時間遅れ。

田沢湖での列車。すでにレールは雪で見えない。
恐ろしいまでの雪の山!!

 

列車は動き出したはいいけれど、時々ドシンといった感じでものすごい雪を跳ね飛ばす。
再び動き出した電車にウトウトしていると角館着。
またまた除雪作業のため停車。
列車の前には・・・雪の山!!
いままで跳ね飛ばせなかった雪が少しづつたまり、角館に着くころにはこんな量に!!
ホームの高さまで雪を抱え込んでいて、除雪が終わってもこのままじゃ動けない。
ロータリー除雪車を使って列車の前の雪山を取り除くことになった。

一度列車をバックさせる。ごぼっと雪の山が列車から外れる。
その雪の山をロータリー除雪車で動かす。
とはいっても隣のホームには列車、どかすスペースがない。
やむなく、斜め前方に跳ね飛ばし、後は人海戦術で融雪溝に押し流す。

やっと抱え込んでいた雪がなくなったが、まだ列車は動かない。
すれ違いのこまちを行かせてから、こっちの列車を動かすらしい。
その間に運転手さんたちと話す。
この時期にこんなに雪が降るのは珍しく、しかも重く湿った雪なのでややこしいことになっているらしい。
10:12、やっとこまちがやってきた。やっと動く、そんな時
突然、明かりがすこし暗くなり、暖房が停止した。
「き電停止!?」運転士さんの言葉を理解できたのは、乗客の中で自分ぐらいだったと思う。
起電停止、架線からの電力が供給されなくなること。
まず、しばらくは動けないことが確定した。

ロータリー除雪車で雪を跳ね飛ばす!!

 

代行したのは普通の路線バス。

それからどれぐらい待っただろうか。
大分余裕を見込んだプランだったものの、その余裕さえあっという間に消し飛んでしまった。
秋田・大曲行きのバスが角館に着いたのは実に定刻から5時間後の12時近くになってからだった。
もうすでに予定は意味を成さなくなっていた。
自分にできることは、代行バスで隣になったおじいさんと不幸を嘆きあうことだけだった。

やっとの代行バスで大曲に着いた。
奥羽本線で横手へ・・・の予定が、こちらも動いていない。
女性駅員さんに聞くと、代行バスが動いているらしい。
東日本、北海道パスを見せると妙な紙を渡された。
路線バス振り替え乗車表?
この路線は並行する路線バス会社で代行輸送を行っていた。
バスターミナルへ向かうと、まだすこし時間に余裕があった。
スーパー併設のバスターミナルなのでちょうどいい。おやつ用にポテトチップスを買う。
バスターミナルに戻ると、時刻表、そして自分と同じ振り替え乗車票を持った少年を発見。
これが川口車両センター管理人、うららさんとの出会いだった。

せっかく知り合ったんだから、ということで、路線バスで話が弾む。
一緒にポテトチップスぼりぼり。
そんなこんなで横手駅に着いた。

この旅の重要な目標、それは、横手焼きそばだ!!
ということで、うららさんとどこの焼きそば屋に行くか、パンフを見ながら考える。
「ここいいんじゃない」「でも、これ定休日」
「こことかどうよ」「ってか、歩いて行ける距離じゃないでしょ」
そんなやり取りをしながら「ふじわら」というお店に向かった。
肉卵入り中サイズで500円・・・こりゃなかなか安い。
肉や卵を抜けばもっと安いが・・・肉卵入りウマイ!!
なかなかの大ヒット。また着たら絶対食おう。

うららさんは北上線で北上に抜けるとか。
いやはや、まだ中学生なのにあちこち旅行できるなんて羨ましい。
北上線の列車が見えなくなるまで見送った。

ちなみに、川口車両センターにこれと同じところで撮った写真あり。 探してみるべし。
夜の長距離路線バスもオツなものである。

さて、うららさんは何とか旅立てたけれど、自分はどうするのか。
今日中に新潟駅まで着かなければならない。
動いているのは北上線だけ、太平洋側に言っても意味がない。
時刻表を眺めていて見つけた一本の赤いスジ、自分はこれに託してみることに決めた。
横手発、羽後本荘行きのバス。高速バスでもなんでもない、普通の路線バスだ。
羽後本荘に抜ければまだ羽越線が動いているかもしれない。
西村京太郎張りの時刻表サスペンスだ。
自分はそれに賭ける事にした。

バスターミナルで待っていると羽後本荘行きがやってきた。
思いっきり路線バス。始発だから整理券もない。程なく発車。
ちゃんと羽後本荘に向かうのか心配になるぐらい、ずっと街中を走る。
乗っていた乗客もどんどん降りていって、ついに自分一人。
ようやくバスは市街地を離れ、山を登り始める。
トンネルをいくつも抜け、また小さな集落へ。
ここでもこまめにバス停を回ってゆく。
夜の長距離路線バスを、最前席から堪能した。
片道1,780円は財布に堪えたけれども・・・

羽後本荘着、さて列車は・・・と行ってみると、ジャスト列車が出た後。
特急いなほだったが、遅れを理由に救済してもらえたかもしれなかったのに・・・

次の列車が来るまで大分あるらしい。
もう半分諦めモード。
時間がかかるんだったらということで、近くに風呂屋がないか聞いてみる。
駅から20分程度歩いたところにあったのは鶴舞温泉。
地元の人たちの憩いの場所だった。
もわっと塩素のにおいがきつかったけれども、露天風呂もありその点満足。
雪見風呂を楽しんだ。

羽後本荘駅に戻り、待合室でダラダラ。
待合室のテレビで垂れ流していたサスペンスドラマにハマる。
そうしていると、列車が動き出したらしい。
しばらくして列車がやってくる。続きが気になるが行くしかない。
酒田どまりの列車に乗り込んだ。

雪の中を何故かサンタクロースも乗っている列車でひたすら南下。
もう何分遅れとかそういった考えは麻痺していた。
とにかく、行けるとこまで行きたい。
そんな願いもむなしく、酒田でこの列車はおしまい。
駅に取り残されたのは、いかにも18キッパーらしい面々。
鶴岡まで代行タクシーを出すらしい。
けれども、鶴岡から先には行けないし、安い宿がある保証もない。
そういえば、さっき酒田駅に入るときにちらりとネカフェが見えた。
代行タクシーを断り、ネカフェに入った。
オープンしたばかりらしく、会員登録無料。
さっそく、アドレスを聞いておいたうららさんのサイトにアクセスした。

何分遅れとか、そんな次元じゃない。

 


翌日へ

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